暁鐘ギフテッド

その地は度重なる天災、反亂、そして疫病で荒廃していた
這片土地飽經天災肆虐，反復發生叛亂，最終因瘟疫而荒廢
明日すら生きられるか分からない
連明天是否能活下去都不知道
そんな人々の唯一の希望は
對於這樣的人們來說唯一的希望
國の中央に聳える高い城壁
是國家中央聳立的高牆
外から窺い知れないその場所は
從外面無法窺視的那裡
選ばれたものだけが住まうことを許された聖地なのだという
據傳是只有被選中的人才能居住的聖地
彼らは日々跪き、頭を垂れ、そして祈る
他們日日跪拜、垂首祈禱
「どうか、禦慈悲を——神様！」
“神啊，請大發慈悲！”
In principio creavit Deus caelum et terram.
神原本既已造諸天與地也。
Deum colit qui novit.
知神者敬神也。
Deus ex machina!
機械降神！
全て遮斷するよう聳え立つ城壁
聳立的城牆宛如要遮蔽一切
獨自に統治された知られざる場所
不為人所知的自治之地
人々は囁き合うあの內側にはきっと
人們相互謠傳在那牆壁的內側
理想の世界が広がっているのだと
一定是理想的世界
禦身に相応しい完全完璧な
為了追求和神明相稱的完美容器
依代を求め禁忌に染める
而染指禁忌
欲するべきは類稀なる
所需要的是罕見的
優良優秀優等な遺伝子だ
優良優秀優等的基因
神に選ばれし崇高なる者たちよ
被神選中的崇高之人
希望を胸にさぁ方舟へと乗り込め
來吧胸懷希望進入方舟
暗き明日を見て怯える日々に別れを
與那段看不到明天活在恐懼中的日子訣別
ここが君にとっての楽園となる
這裡將會成為你的樂園
Diliges proximum tuum sicut te ipsum.
你應當愛近人如你自己。
Beneficium accipere libertatem est vendere!
以自由換取恩惠！
笑顔が絶えず溢れるここを統治するのは
統治這裡的是笑容不絕
齢十四程の白銀の王
約十四歲的白銀之王
等しく愛を與えて優しく微笑む様は
平等的愛著眾人有著溫柔笑容的他
まるで天の使いだと皆噂する
人們都說簡直如同天使
方舟を守護する全知全能たる
守護著方舟全知全能的神
神の降臨をただ待ち侘びよ
等待著祂的降臨吧
絶対的な真相見抜く
看穿絕對的真相
過ち失考誤謬など有り得ぬ
不會有任何的錯誤失敗謬誤
天の寵愛を受けし特異なる者よ
受天寵愛的特別之人
暫しの優越に浸ることを赦そう
允許你們短暫地沉浸在優越之中
君が過去を捨て敬愛を誓うのなら
若你們拋棄過去宣誓敬愛
限りない幸福を約束しよう
那就賜予你們無上的幸福
ある朝、少女の元へと屆いた便りは
某天早上，一封信送到了少女的所在之地
神による選抜を受けた証となる
這是被神所選中的證明
幸福安全保障機関アーク、即ち方舟の移住権
代表著幸福安全保障機關ark，即方舟的移居權
けれと、招かれたのは彼女ひとり
然而，收到信的只有她一人
両親と幼い兄弟を
父母與年幼的兄弟
この地に置き去りにしていくことに他ならなくて
除了留在此地別無他法
子の幸せを願い喜び咽ぶ両親と
為孩子的幸福喜極而泣的父母
別れを惜しみ縋り泣く弟妹
因不捨離別而哭作一團的弟弟妹妹
その手を離し少女は獨りゆく
少女放開他們的手獨自出發
固い誓いを胸に攜えて
並在心中堅定地起誓
「これは永遠の別れじゃない」
“這並不是永別”
「永遠になんてさせはしない」
“我不會讓這次分別變為永別”
「神様のすぐそばで私は願おう」
“我會在神身邊許願”
「大切な人達と幸福の先での再開へ」
“與重要的人們在幸福的未來開始新的生活”
神に選ばれし崇高なる者たちよ
被神選中的崇高之人
玲瓏な瞳で輝く未來を見據えて
用你們玲瓏的雙眼展望未來吧
案じる事などもう何もないのだから
不需再擔心任何事
過去も明日も全て幸福に変えてゆけ
過去也好未來也好全部都會化作幸福
Petite et accipietis,
要恆心尋找，就必找到；
pulsate et aperietur vobis.
要不停叩門，門就為你而開。
Quo vadis,domine?
主呀，你到哪裡去？
Deus ex machina!
機械降神！
閉められていた扉の向こう
緊閉的大門後面
光溢れる楽園に相応しき建築物の數々
是大量與光芒溢出的樂園相符的建築物
その先でまず白銀の少年は
在那前方一位白銀般的少年
穏やかな微笑みを持って少女たちを迎え入れた
帶著平穩的微笑迎接著少女所在的這群人
「神の寵愛を受けた優良遺伝子たちよ」
“被神所寵愛的優良基因們”
「ようこそ幸福安全保障機関アークへ、待っていたよ」
“歡迎來到幸福安全保障機關方舟，等你們很久了”