蚕 歌词
機械でもできる仕事と吐き捨てられたから
ぼくは機械にならなくちゃ
生をどうこうするには脆弱すぎる脚
要らない思考能力は無為萎縮して
管を巻いて意図を吐いて まっしろ
宙を泳いだ言葉は 一体どこへ行けばいい
能のない翅にも利用価値 あると言ってよ
食べられやしない言葉を 全体どこへ捨てりゃいい
渇いた唇の端から 堰を切って落葉
幼若な朝を編む
嘗ての青空の記憶を探すのはやめにしよう
昨日と同じように生きよう
生来飛べないのか「嘗て」が在ったのか
今となっては誰も知らないので
思考をやめよう
宙を泳いだあなたは 一体どこへ着いたろう
吹き寄る葉風 ぼくら塵のように無力なのに
どうしてその鱗翅を広げてみようと思ったのだろう
のうのうと日々を食んでいれば たのしいこともかなしいこともない
それじゃだめかな
管を巻いて意図を吐いて まっしろ
宙を泳いだ言葉は 一体どこへ行けばいい
能のない翅にも利用価値 あると言ってよ
縋り付く場所が朽ちたら ぼくはどこへ行けばいい
渇いた唇の端から 堰を切って落葉
あなたの残り香
(Why did I release that hand?)