吉田町の唄
吉田拓郎
吉田町の唄 歌詞
昔その人は赤兒を抱いていつか故鄉を拓けと願い
“父を越えて行け”と名前をさずけた
母は影のようにたたずみながらすこやかであれと淚を流す
のびやかにしなやかに育てよ子供
やがて大地踏みしめ太陽になれ
祖母に手をひかれ海辺を步くはるか遠い國へ胸をおどらせ
風がほほを過ぎて7才の夏の日
姊の唄う聲は小鳥のようで心ときめいて足をはやめる
のびやかにしなやかに育てよ子供
やがて大地踏みしめ太陽になれ
兄の進む道はたくましそうであこがれのようにまぶしく寫る
“強くなれたらいい”12才の秋の日
友と汗をふき山に登ればたぎる想いゆれて命とおとし
時は川の流れ19才の冬の日
あの日その人はやさしく笑い母の手をにぎり旅に出かけた
おだやかにやすらかに眠れといのる
やがて雪をとかしてせせらぎになれ
いくど春が來てあの日をたどるこの名も故鄉も靜かに生きる
雲が空に浮かび人の顏になる
昔その人が愛した場所に若い綠たちが芽をふきはじめ
のびやかにしなやかに育てよ子供
やがて大地踏みしめ太陽になれ
のびやかにしなやかに育てよ子供
やがて大地踏みしめ太陽になれ