おんな南部坂
坂本冬美
おんな南部坂 歌詞
殿の無念を
晴らしもせずに
明日は仕官を
すると言う
恨みなみだの
瑤泉院が
送るうつけの
內蔵助
外は師走の
雪に日暮れる
南部坂
読みとうもないが
これが大石の持參せし書狀か
何明十四日寅の刻
我ら同志一同
吉良邸に討入り致すべく候
ええっ
大志うれしや
連判狀の
名前一二四十七
親も子も捨て
愛しい者と
縁を切っての
忠義立て
殿もあの世で
泣いて居ようぞ
泉岳寺
內蔵助
そなたの真実の心も読めず
口汚く罵った私は
この世の中の誰よりも
愚か者じゃ
さぞや辛かったであろう
口惜しかったであろう
どうぞどうぞ
許してたもれのう內蔵助
出來ぬ助太刀
女子の身なら
まして仏に
仕える身
首尾を祈って
瑤泉院が
浴びる師走の
つらら水
雪の明日は
晴れて呉れるか
南部坂