輝夜
志方あきこ
輝夜 歌詞
人世難留升天去
今はとて天の羽衣著るをりぞ
臨著羽衣卻思君
君をあはれと思ひいでける
『竹取物語』和歌,輝夜姬作
《和歌かぐや姫『竹取物語』より引用》
時至十五夜明月照皎皎
鬱鬱如我心不得見天光
輝けるは十五夜の月よ
縱是君與我依依情未了
いまだ陰るはうつろう想い
身著羽衣後兩心隔河漢
心かげろう縁(エニシ)の糸を
赫赫輝夜姬花開能幾許
いざや絶たんと誘う羽衣
嘆天命難違道身不由己
升天而奔月此去永相別
耀よう姫はたまゆらの花よ
後人若提起亦復道如是
避(サ)らず避らずの定めの儘(ママ)に
難見佳人徒流淚
天(アマ)つ空越え月へ服(マツラ)う
縱有仙藥奈若何
昔語りよ遠く常磐(トキワ)へ
『竹取物語』和歌,天皇作
時至十五夜明月照無情
此恨若綿綿此情無絕期
あふこともなみだにうかぶわが身には
伊人駕雲去空餘去時路
死なぬくすりも何にかはせむ
每每於夜中華帶耀綺羅
《和歌帝『竹取物語』より引用》
天降之人
日數复幾何
輝けるは無情の月よ
歸還之人
悲し愛(カナ)しとざわめく想い
今又往何處
消え行く姫の名殘の軌跡が
清風涕泗
夜の隨(マニマ)に綺羅に煌く
群芳嘆惜
參商遙望
天(ア)降(モ)りしひとよ
送萬世之別
重ね重ね時を経て
赫赫輝夜姬花開能幾許
還りしひとよ
嘆天命難違道身不由己
今はいずこ
升天而奔月此去永相別
風は清かに啼きぬれて
後人若提起亦復道如是
花はあわれと囁きて
星はこがねに瞬きて
千代の別れ見送らん
耀よう姫はたまゆらの花よ
避らず定めの儘に
天つ空越え月へ服う
昔語りよ遠く常磐へ