プルースト
SAYURI
プルースト 歌詞
解け出す12月のあの匂い
耳の奧が冷えていた
風には何かが交じってた
秋と冬の間で人は誰かを探している
それが何か何を失くしたのかは
もうわからない
落ちる枯葉は舞い
駆ける木枯らし
消えるのは誰のせいでもない
「ここじゃないどこかにそう
帰る場所があってね、
懐かしい懐かしい」 と僕は
口をぱくぱくさせていた
匂いと想いはよく似てる
目には見えずとも確かに
そこにあるのだと
誰かが
あの人が言ってた
でもここには傷も傷跡も何も無い
帰り道が帰り方がわからない
もうわからない
時が腕を引っ張るから
これ以上先には進めないあの人が
遠く遠く小さくなってゆく
置き去りにして僕は行く
寒い冬の波間
光差し込む星
伸びてゆく天國への梯子
消えた燈火
荒ぶ木枯らし
大事だった筈の顔が
もう思い出せない
伸びきった前髪
隙間から覗いた空
手を伸ばしてみてももう
二度と戻れない