鮮紅ノ龍啼ク箱庭拠リ

夜の帳下りて
落下帳幕的暗夜
月が舞台照らす
白月映照的舞台
私は一人踴るの
一人獨自的翩舞
これは影の敘事詩誰も知らぬ物語
此為黑影的史詩無人知曉的傳說
語られることなき記憶
不被傳頌的記憶
今宵拝跪す地の徒が為
今宵跪拜大地使徒
龍刻縛す
遂而為之龍刻綁縛
意思の暗闇深淵く根を張り
意識暗處延根深淵
閉ざされた森の中息潛め待つ
閉封森中忍息靜待
絡まる蔦斷ち楔外る
斷裂亂藤解下楔鎖
意味を知りて
辨知其意義
茨草喰い込む身體抱き昇る
侵襲荊棘於其中擁抱身體互昇翔
災う力解けせど
然除兇狠之狂力
遠く龍啼く空屆かぬ聲重ね
巨龍遠嗚於天際不達稀聲互交纏
いつか碧空に帰らん
何時不歸之碧空
此の身體回紆す血の軌跡を準り
紆回此身鮮血軌跡
蠢く其の鼓動は
徐徐回繞蠢蠢欲動
深淵くへ潛み
其之悸動直潛深淵
私の中で彼方息潛め待つ
處身彼方忍息靜待
戒められし身體羨望む
受禁守戒羨望身體
意思の宿命
意思之宿命
暗き泉の淵月が水面
底下暗泉的深淵蒼月映照的水面
照らす私の姿映るわ今宵
一人獨自的姿貌
流れるのは誰も知らぬ円舞曲
今宵所流的舞動無人知曉的圓舞
歌われることなき旋律
不被歌頌的旋律
原始の記憶誘う彼の地を想い
原始記憶引憶起他方
煌く星達彩る天空は遠く
煇煌星宿綴飾於遠空
龍啼く箱庭の中
巨龍轟嗚園景真正中
吐息は灼熱の焔を喚びて
氣息呼喚灼熱熾焰紅
深き森の最奧で獨り徬徨う日々
深寒森林的最內獨人徬徨的每日
道標は見えると信じて
相信道標必可見
翼の戒秘められし存在
受禁守戒的雙翼秘藏未知的存在
制し空へ帰らんと
縱止大空必定歸
雙頭の龍舞う遙かなる彼の地は
雙頭巨龍迅飛舞遙遠極地之他方
古より変わらずに
古來千秋如一刻
月が紅く染まる約束の其の日を
獨圓白月轉鮮紅不變約定之其日
戀焦がれ焼けた涙頬ほほを伝い墮ちる
愛戀成焦淚下頰
茨草喰い込む身體抱き昇る
侵襲荊棘於其中擁抱身體互昇翔
災う力解けせど
然除兇狠之狂力
遠く龍啼く空屆かぬ聲重ね
巨龍遠嗚於天際不達稀聲互交纏
いつか碧空に帰る日想い祈る
何時歸空之日為如此冀望