自分
石敢當
自分 歌詞
道端で出會った何か
変な形をしている
これはなんて生き物だろう?
初めて目にしたよ
どこから見ても何なのか
よくわからないけれど
毛むくじゃらで変な感じだ
足は4本あるみたい
「にゃおん」変な聲で話しかけてきた
なんか馴れ馴れしい奴だ
擦り寄ってくるんじゃない
俺は孤獨に生きてきたんだ
往來の上で光るネオンで
照らされた滑稽な表情に
ただ同情をしてるだけ
俺がかけてあげられる言葉はない
毛むくじゃらは諦めずに
俺の後をついてきて
腕で亂暴に追い払っても
どこ吹く風の顔
そんなに寂しそうに
見えるのかと腹をたて
高いところ狹い所
逃げてもついてくるよ
「にゃおん」だからうるさいよ
話しかけて何になるんだと
ついよそ見をした俺に
蹴りかかる人間の子供
打ち付けられたアスファルト
呻いても聲もでない
ネオンが光った水たまりに
映ったのは奴と同じ形の汚れた顔
飛び出してきた
奴の鋭い爪に人間は驚いて
一目散に逃げていった
怯える俺にゆっくりと
爪を収めて近づいてきた
打ち付けた傷をザラザラの
俺と同じ舌で舐めた
かけてくれた聲が何を
表すのかわかった気がするよ
これまで誰にも話しかける
機會なんて無かったからさ
孤獨で見失った自分を
思い出すために絞り出す聲
「にゃおん」
「にゃおん」