初夏の香り

春すぎて夏來(け)にけらし
夏至不覺春已過
青々と若葉煌めく
嫩葉清翠光輝閃爍
霧晴れた山野のさきに
在山野霧散放晴後
風戀しくそよぐ
戀上風中搖曳
深い緑萌ゆる小道ひとり歩めば
如果朝著綠蔭深處緩緩前進在小路上獨自行走的話
いつしか密やかに想い馳せ
就會在不知不覺寂靜中陷入回憶
我が心彩どる遠き記憶
將我的心浸染的遙遠的記憶
遙かなる詩が聞こえる
能聽到遙遠的詩傳來
さやかに木霊が響く
清澈的迴聲響起
週りは悠久な大自然
周圍是悠久的大自然
澄み渡る杜の香り
晴空萬里森林的香味
しゃらりしゃらりと鈴の音鳴らし
鈴鐺的聲音叮噹響起
足任せに山野をあゆむ
信步走在山林原野
古川の音はさらりさらり澄みやかに
古老河流流淌的聲音清晰悅耳
我が心和ませる
使我的心平靜
草原を彩るワタスゲの白穂は
將草原染上顏色寇蒂禾的白絮
夏風にさやさや揺すられて
在夏風裡搖晃響動
ふわり身を放ち我が身を包む
輕飄飄的白絮四處飄散將我的身體包圍
耳を澄ませば聞こえる
全神貫注的話就能聽到
葉音が優しく歌う
風吹樹葉在溫柔地歌唱
五感で感じる大濕原
用五感感觸大自然
澄み渡る花の香り
晴空萬里花朵的香味
「初夏が香るこの時期は、美しく咲き誇る水芭蕉が見所です。イタリア君のお家では、
「初夏，香氣四拂的這段時期，美麗的驕傲綻放著的水芭蕉是很值得欣賞的。意大利君的家裡，
美味しく実ったトマトの畑が景色一面に広がっているようで…是非一度、行ってみたいですね。 」
好像有著成片的結著美味的番茄果實的景色...一定要，試著去一次呢」
木漏れ日煌めく水面は
陽光透過樹葉灑下波光粼粼的水面上
緑青色に輝く
閃爍著綠青色的輝光
白樺の小道から眺めれば
從白樺林的小路眺望的話
淡い世界に癒される
就會被風輕雲淡的世界所治愈
仰ぎ見る若草の丘
抬頭仰望長滿青草的山丘
敷き詰める青紫の花
鋪滿了藍紫色的小花
美しき色彩に囲まれて
被美麗的色彩所圍繞
澄み渡る初夏の香り
晴空萬里初夏的香味