眺めの空
楠木ともり
眺めの空 歌詞
ぬるま湯に足首までつかって1人
靜かに溶けたいだけなのに
氷ごと水をかけられちゃ僕は
隣を歩くしかなくて
蟬の聞こえない裏路地
匂いのしない駄菓子屋も
おまえのせいだってわかってんだ
僕の夏を返してよ
あぁくらくらする
きっと暑さのせいじゃない
とおい空のせいでもない
「暑いね」なんて
無理な笑みおまえの癖に
嫌気がさしただけなんだ
風になびくブラウス
背中だけ張り付き
透ける淡い幻覚色
いつもと違うのは気のせい? 僕は
未だ罠に気づかずに
見かけなくなった野良貓
冷たくない無味のスイカ
おまえのせいだってわかってんだ
僕の夏を返してよ
あぁくらくらする
きっと暑さのせいじゃない
あおい空のせいでもない
アイスクリームに
かぶりつく橫顔にただ
嫌気がさしただけなんだ
ずっと打ち上がらない花火
胸に響いてこない音
おまえのせいだってわかってても
僕の夏を君は捕る
だから
あぁくらくらして
きっと僕だけじゃないだろ
ずるい君のせいなんだろ
明るくなった一瞬の橫顔にただ
嫌気がさしただけなんだ
赤みがさしただけなんだ