神曲
あさき
神曲 歌詞
―あるものは―
日と月と並び峨々たる嶺
嫁いでいく身は華燭に焼ける
やがて四方の景觸れた頭垂れて
飲んだ蚯蚓踴る酒を
―あるものは―
腸を舐め転ばす
「産聲!」
坊主は相好崩し貪る
火柱もろとも腐って
「化仏よ!」
佳人は六道
小坊主「あろうことか!あろうことか!」
百も千も過ぎし頃
瑞光の遍し大運河に
背骨忘れてくるわ魚が
びっちゃら!びっちゃら!
暁光吐き 白道まで
泳ぐ!
腫れ上がる我のここり裂きて
抉り出した坊主を呪い這う
馬「まあ!これいかにも!ただならぬ!あすこに!行きたまえ!」
唇すぼみてほざいた馬
髪摑まれ木の葉になり舞う
魚挙り喰い!
咳き上ぐ美女ただつくづく
乳飲みしている白衣(童のように)は呻き
煩悩の犬となりて切っ先を向ける
這う娘は二つの河より覗いている
白目の歯黒(子に乳飲みさす)に足摑まれ
引きずり込まれた
歯黒「ごゆるりと」
揺ららと鳴る仙花紙の雲は極彩色よ
在す神の祝
霊香濕る
「わたくし禍言を」
野辺の送りに
「謳うわ」
恨み恨み恨まれ
神國に飛び込みたる逆罰
淺淺と舞う
彼「いかがなものか!」
雷で噛み千切る!
百八の笛をぴるるぴいるるる〜
六根六塵三世
響き出でたる鐘
わたくしの唇震る振りて神體
ふりふりふりふりふりふり
あ〜れ〜
一度落ちた魚は苦輪
輪廻して止まぬ恨みの目
その背の鰭に突き刺し運河上る
禍言を叫び喰い転めきて
咳き上ぐ者ただつくづく神拝している
彼「やや!そこに在り!」
背中を炙る紅蓮の炎にも気付かずに
呪いの唄口ずさみて
女はびっちゃらびっちゃらと泳ぐ
白き道縷々と
綴る地の獄是より
天道彩裂き照らす
光に導かれ辿り著いた地ですら苦輪の海
迷い子は紅蓮に焼かれるも泳ぐ
偽りの瑞光を信じながら
小坊主「我は思う!
世に一切の眾生が無くなるまで人は!
憎しみの海泳いでいくのであろう!」