春を目指して (feat. 泉まくら)
泉まくらHAIIRO DE ROSSI
春を目指して (feat. 泉まくら) 歌詞
春を目指して歩いていました。
あたり一面を雪が覆った長い長い冬の景色は、白すぎてまるで真っ暗なトンネルの様でした。
草木芽吹く暖かい春の訪れは
まだかな、まだかな、と意識しないと希望の光が絶えてしまいそうで、
不安で仕方なかったのを覚えています。
1人に慣れた頃、一軒の小さなお家を見つけました。
中には橙色の暖爐と、僕より深い色の孤獨を見に纏った人が1人いました。
その人は凍えた僕に暖かいスープをくれました。
身體の芯がふくらんだ頃、
話を聞いて貰いました。
不安だったこと、寂しかったこと、もうこのトンネルは抜けられないんじゃないかと思ったこと。
その人は
「うん、うん、
そっか、大変だったね」
と、淒く優しく言ってくれました。
僕は涙が溢れそうでした。
何日か、何週間か、何ヶ月かそこにいました。
そのお家は何故かとても安心したのです。
あったかかったし、優しかったし、美味しかったし、幸せでした。
しばらくして、僕はまた春を目指して歩き出すことに決めました。
最後に今までありがとうと伝えると、その人は僕に笑顔で言いました。
「1人じゃないからね」と。