帰り路をなくして (Live at Zepp Nagoya on May 1, 2017)
鬼束ちひろ
帰り路をなくして (Live at Zepp Nagoya on May 1, 2017) 歌詞
光に一體何が望める
そして闇にも
愚かで無垢なものを指先に
宿して自分を導けば
辿り著くいつもそこは
すべてを貫く鉄塔の上
手に入れたものはいつかの夢達
見降ろす街は凍える想いを
きつく寄せ合うけれど
帰り路をなくして
今日はどこに帰るのだろう
この月が何を翳すのかを
知る事さえ怖くて
血の涙は溢れる
緋の翼で舞い上がるのだろう
燃える世の底を這って
ただ嗚き叫ぶ
鳴き叫ぶ
力はその刃を振り上げる
ゆらりと儚く互いへと
手探りで感じた熱は
優しい誰かのつむじ風
置き去った気持ちはいつかの迷い歌
ビルや日々の群れ沈まぬようにと
暮れる胸を焦がしてゆく
帰り路をなくして
明日はどこに向かうのだろう
いつの時か握りしめてきた
手のひらも解かずに
血の涙は零れる
緋の狹間で立ち上がるのだろう
過ぎ去る背はもう見えない
ただその先へ
その先へ
帰り路をなくして
そして今はここに
碧(あお)の淵黃金(こがね)の果て夜の隣で震える
帰り路をなくして
今日はどこに帰るのだろう
この月が何を翳すのかを
知る事さえ怖くて
血の涙は溢れる
緋の翼で舞い上がるのだろう
燃える世の底を這って
ただ鳴き叫ぶ
鳴き叫ぶ