ありえない幕間劇 (その二十) 『巫女の神通力』

ありえない幕間劇 (その二十) 『巫女の神通力』
君はB組だっけ
そうです
福部君は一緒じゃなかったの
あ！なぜ知ってる
あ、神通力か
折木さん
こちらは、十文字かほさんです
一年D組の
よろしく
あ、同級生が
てっきり神通力でも使えるのかと
神通力なら、一応使えるよ
は？
十文字系は大體、神通力が使えるだけだから
その中でも、かほさんは最も強力な使え手なんですよ
あ、神通力ね
折木さん、信じてないですね
普通は信じないだろ
たしかに、體験しなてみないと分からないかもね
あ！かほさんは眼鏡を外しました
それがどうした
説明します
かほさんは、神通力を使う時、眼鏡を外して精神統一するんです
あ、なんかも帰りたくなってきた
腹も減ってきたし
折木君
なんだ
まだ帰るのは早いよ
あと、お腹すいてるなら、後で団子汁をあげるから我慢して
あ！心を読まれた？
折木君最近
なん、なんだ？
家で何か物を失くしたじゃない
え？
これは多分、ペンかな
うへん！
見つからなくても同じ物を買ったみたいけど
洗面所にあるよ
落とした時に奧の方に転がったみたい
その辺探してみて
は、なんてその見てきたようなこと
そう見えたから
やっぱりすごいですかほさん！
そ、それぐらいなら適當に言ってでも當たるだろ
じゃあもう一つ
まだあるのか
折木が小學生の頃に書いた、將來の夢っていう作文
サッサッッッサ、その作文は、なんだで言うんだ
折木さん、落ち著いて
部屋の掃除中に出てきて、要れないと思ってゴミ箱に捨てたみたいだけど
うっ
そうなんですか
たしかに、結構前に捨てた
それ、お姉さんがゴミ箱から拾ったみたい
はぁ！ ？
弟の子供頃の思い出し、捨てるにはもったいないと思ったみたいだね
いいお姉さんですね
教えてくれ
姉貴はそれからどうしたんだ
お姉さん、拾った作文を読んでひとしぎり笑って
ｧｧｧｧｧｧｧｧ!!！
大丈夫ですか折木さん
奉太郎もこのぐらいの時はまだやる気あったのよね～
とか言ったと
ｧｧｧｧｧｧｧｧ!!！
折木さん
暗くてよく見えないけど
どこかの引き出しにしまちゃったみたいだね
アっ
なんで拾うんた姉貴
そしてなんて保管するんだ
折木さん、気を確かに！
あ、あともう一つあるんだけど
どうする？
一応、聞かせてくれ
私も、気になります
そう？じゃ言うけど
ドキドキ
折木君が
あ！ちょっとまって
もしかして、クリスマスに掛かってきた間違い電話のことが
え？
あ！あのことなのか
そう、それ
え？何なんですか
折木君、あれは実はね……
やめろ、やめてくれえー
もう聞きたくないー
折木さん
行っちゃったね
なんか、最後の方はよく分からなかったですか
神通力、信じてくれたみたいでよかったですね
うーん、よかったのかな