和泉マサムネの記念日 智恵編
大西沙織
和泉マサムネの記念日 智恵編 歌詞
高砂智恵は俺の同級生で
高砂智恵和我同級
駅前にある本屋「高砂書店」の看板娘
是車站前高砂書店家的女兒
マンガとライトノベルを愛する女子高生だ
一名喜愛漫畫和輕小說的高中女生
一見のんびりとした優等生、と言った外見なのだが
表面上看來是規規矩矩的優等生
実のところはそうでもない
實際上並非如此
そうだな、例えばこの前こんなことがあった
比如說前一陣子發生過這樣的事
六月中旬、クラスでの話題に
那是六月中旬
夏休みという単語が混じり始めたある日の放課後
班裡開始充斥著暑假一詞的某天放學後
智恵:「ムネ君、ちょっといいかな」
智恵:「宗君,現在有空嗎」
正宗:「何だ」
正宗:「怎麼了」
智恵:「僕に勉強を教えてほしいんだ」
智恵:「想讓你給我補習一下」
正宗:「ああ、ごめん。今新作の執筆で忙し……」
正宗:「啊,抱歉。最近忙著趕稿子.... ..」
智恵:「無理を承知の上でお願いしたく
智恵:「雖然知道很勉強但還是拜託
どうか學年中五位の和泉正宗様
全校排名第5位的和泉正宗大人
追試をクリアしないと、補習で夏休みが」
如果補考沒過的話,我的暑假就」
正宗:「そういう理由ね。事情は分かったけど」
正宗:「是這樣啊,理由是明白了」
智恵:「無論、ただとは言いませぬ
智恵:「當然,不會讓你白乾的
報酬として、今月の電撃大王を用意いたしております」
作為報酬,我準備了這個月的電擊大王」
(おお、智恵にしと奮発したな)
(哦哦,就智恵來說還是挺有乾勁的嘛)
普段のこいつは友達に本をあげたりしない
平常的這個人不會隨便送朋友書
自分ちで買い物をしてもらわなくちゃいけないからね
因為必須要讓別人在自家書店買才行
そのポリシーを曲げてまでのお願いということらしかった
這次卻是違背了這一主旨的請求
正宗:「でも、俺が一番読みたいマンガ休載してそうだしな」
正宗:「但是我最想讀的漫畫好像休刊了」
智恵:「おっしゃる通り休載中だけども
智恵:「正如您所說休刊中
ほかにも面白いマンガがいっぱい載ってるから
但還有其他很多有趣的漫畫
最近連載が始まったばかりの作品もあるし
最近剛開始連載的作品也有
新規で購読を始めるにはうってつけのほうだから
作為開新坑來說再適合不過了
あっ、面白かったら來月からは自分で買ってよね」
啊,要是有趣的話下個月開始可要自己買了哦」
正宗:「それってもう、報酬というより、販促じゃないの」
正宗:「這已經不是報酬是推銷了吧」
智恵:「これで足りないというのなら、もう僕の體で払うしか」
智恵:「如果這都不夠的話,就只能用我的身體償還了」
正宗:「教室で何言ってんの」
正宗:「在教室裡都說些啥啊」
(女子グループからすけい目で見られてるんだけど)
(女生們在用看色狼的眼神看著我(-_-;))
智恵:「だ、だってムネ君はエロマンガ先生に
智恵:「宗,宗君不是在找
パンツを見せてくれる美少女を探してるんでしょう
能給埃羅芒阿老師看內褲的美少女嗎
そこで僕がエロマンガ先生の犠牲になってあげる代わりに
我自願成為埃羅芒阿老師的犧牲品
勉強をだね」
作為代價要教我學習」
正宗:「その件はもう解決したからいいよ」
正宗:「那件事已經解決了就不要再提了」
(解決したというかつかまってみたというか
(應該說解決了還是抓到了
説明する気にもならないんだけども
現在不想解釋太多
ともかく、それは別の話だ)
總之,那是另外一件事了)
正宗:「それと、俺の相棒であるイラストレートの名前を
正宗:「還有,能不能別在教室裡說出
教室で口に出すのはやめようか」
我插畫師搭檔的名字」
智恵:「なんで」
智恵:「為什麼」
正宗:「俺が智恵に勉強を教えてあげるかわりに
正宗:「因為會讓別人誤解我幫你補課的代價是
エッチな要求をしているって誤解されるからだ」
讓你做H的事情」
智恵:「ああっ、場所変えよっか」
智恵:「啊啊,換個地方吧」
正宗: 「図書室行こうぜ、追試の対策だけパッと教えるからさ」
正宗:「去圖書室吧,簡單教你一些補考的對策」
智恵:「おお、商談成立ということかな」
智恵:「哦哦,就是說談判成功了嘍」
正宗:「いや、ただでいいよ、いつも面白い本を教えてもらってるし
正宗:「不,免費就行,你也一直介紹給我有趣的小說
そのお返しってことで」
就當作謝禮吧」
智恵:「本當に、わぁすっごく助かる」
智恵:「真的嗎,哇幫大忙了」
正宗:「恩に來てくれるんなら、俺の新刊が出た時
正宗:「要謝的話,等我新書出了的時候
おすすめ棚に並べてくれよ」
給我擺在推薦展位上吧」
智恵:「いいよ、ただし、僕が読んで面白かったらね」
智恵:「可以啊,只是,在我讀後覺得有趣的話」
正宗:「そこは譲れないんだな」
正宗:「這點上還是不讓步啊」
図書室に移動した俺たちは長機を挾んで
移動到圖書室的我們
向かい合うように座った
夾著長桌面對面坐著
機の上にはノートが広げられている
桌子上攤開著筆記本
しばらく追試範囲の內容を教えていると
講了一會兒之後
智恵がノートから顔を上げていた
智恵抬起頭來
智恵:「いやぁムネ君、改めてありがとうね
智恵:「宗君,再一次謝謝你
優しい友達がいた幸運に感謝だ」
能有善良的朋友太好了」
正宗:「お禮は追試結果で返してくれ」
正宗:「用補考成績謝我吧」
智恵:「そのつもりだよ
智恵:「我就是這樣打算的
にしても、試験結果の順位表を見てびっくりした
話說回來,看了考試排名真的嚇了一跳
君ってあんなに成績よかったんだね
你原來成績那麼好啊
お仕事だって忙しいんだろうに、勉強する時間とかあるの」
工作明明很忙,還有學習的時間麼」
正宗:「毎回必死だよ
正宗:「每次都很拼命的
まあちょっとした事情があってさ、成績落とせないんだ
因為某種原因不考好不行
お前こそ、見た目優等生っぼいのに」
你才是,明明看著像優等生」
(意外とアホなんだな)
(意外的挺傻的)
智恵:「うん?何かな、最後まで言ってごらん」
智恵:「嗯?什麼,你說呀」
正宗:「い、い、いやまあ、智恵にだってすごいところはあるよ」
正宗: 「沒,沒什麼,智恵很多方面也很厲害啊」
智恵:「おお、例えば」
智恵:「哦哦,比如說」
(えっと、智恵のすごいところ、すごいところ)
(智恵厲害的地方,厲害的地方)
正宗:「面白い本とか、ゲームとかアニメとか、たくさん知ってるし
正宗:「知道很多好玩的書、遊戲和動漫什麼的
本屋の陣列テクニックとか、次に入る本の分析とか
還有如何給書分門別類、對新作分析
そういうのって、普通の女子高生には出來ないコツだと思うぜ」
這種事,我覺得一般女高中生是做不到的」
智恵:「ふん、學校では評価されない項目ですからね」
智恵:「因為這種事學校都不考試啊」
正宗:「普通科高校の劣等生なんだな」
正宗:「所以你是普通高中的劣等生嘍」
智恵:「それってただのバカってことだよね」
智恵:「那不就是說我只是個笨蛋嗎」
正宗:「図書室で大聲出すなよ」
正宗:「圖書館裡別大聲說話」
智恵:「ああ、いけないいけない」
智恵:「啊啊,不好不好」
正宗:「さ、気を取り直して、勉強の続きをしようぜ」
正宗:「重新集中註意力,繼續學習吧」
智恵:「そういえばさ、ムネ君」
智恵:「話說起來,宗君」
正宗:「鉛筆の動きが止まってるぞ」
正宗:「鉛筆沒在動哦」
智恵:「ちょっとだけ休憩しよう、ちょっとだけ」
智恵:「稍休息一下吧,一下下」
正宗:「少しだけな、ってなんだよ」
正宗:「一小下啊,怎麼了」
智恵:「ラノベ作家って、儲かるの」
智恵:「做輕小說家賺錢么」
(いるよな、こういううさい質問をしてくる友達)
(問這種麻煩問題的朋友也是有的)
智恵:「いやだって、やっぱ気になるじゃんか
智恵:「誒呀果然還是特別在意啊
ほら、一オタク一ラノベファンとしてね
身為一名宅和一名輕小說粉絲
って、どうなのさ」
所以,到底怎麼樣」
正宗:「人それぞれじゃないか
正宗:「不同人不一樣吧
それこそ例の山田エルフ先生とこなら
比方說山田妖精老師的話
家を買えるくらい稼いでいるだろうし」
掙的錢連大房子都買得起」
智恵:「和泉マサムネ先生は大したことないの」
智恵:「和泉正宗老師就不行嗎」
(失禮すぎだろう、こいつ)
(這傢伙,太失禮了吧)
正宗:「ええと、どうかな、
正宗:「這個,怎麼說呢
全然本が出せなくて
既有完全出不出來書
おととしみたいに年収がほぼゼロになっちゃうときもあれば
像前年一樣年收入幾乎為0的時候
日本人の平均年収以上に稼げた年もあるよ
也有超出日本人平均年收入的時候
まあ、やっぱいろいろとしか言えないかな」
只能說是各種情況都有吧」
智恵:「うんん、よくネットとかでラノベ作家は稼げないから
智恵:「(-ω-),經常在網上看到有人說
編集者さんから絶対仕事をやめるなって言われる
輕小說家不怎麼賺錢,所以會被編輯說絕對別放棄什麼的
なんて話を聞くけど」
是真的麼」
正宗:「それは噓だな、そうすは俺
正宗:「那是假的,依據就是我
『新作の売れ行きがいいから學校をやめてください』って言われた事がある」
還被說過『作品賣的這麼好別上學了』這樣的話」
智恵:「ネットゲーの廃人ギルドみたいだね」
智恵:「好像網游廢人公會一樣」
正宗:「まあもちろんやめなかったからこそ
正宗:「當然正因為沒有那麼做
今こうしてるんだけどさ
現在才這樣過著
あと、一応フォローしておくと、
還有,如果姑且按編輯說的做的話
作家の將來を築かってくれる心優しい編集者さんも
也有可能運氣好
もしかしたらコネ運どっかにはいるかもしれない」
遇到為作家未來著想的善良的編輯」
智恵:「明らかに『いるわけねぇ』というニュアンスが感じられるんですけど」
智恵:「明顯感覺得到『怎麼可能有』的語氣」
正宗:「気のせいだ。んて、智恵、この話に落ちはあんの」
正宗:「你的錯覺。智恵,有別的意思麼」
智恵:「えっとね、あるっじゃあるかな」
智恵:「唔,應該說有吧」
正宗:「あるのかよ」意外だ
正宗:「真的有啊」好意外
智恵:「うんっとね、もしもムネ君が
智恵:「那個,如果宗君寫出了
アニメ化するくらいの大ヒット作品を生み出して
動漫化程度的大作品
山田エルフ先生くらいに大儲けしたらさ」
像山田妖精一樣賺了很多錢的話」
正宗:「大儲けしたら?」
正宗:「賺了的話?」
智恵:「僕が、ムネ君のお嫁さんになってあげてもいいよ」
智恵:「我當宗君的新娘子也是可以的哦」
正宗:「金目當てを隠そうともしてねぇ!」
正宗:「一點不隱藏錢財的目的!」
(ふざけんな!せめてもうちょっとカムフラージュしろよ)
(搞什麼!至少說的再委婉一點啊)
智恵:「まあ、考えておいてよ」
智恵:「考慮一下嘛」
正宗:「卻下、俺好きな人いるし」
正宗:「拒絕,我有喜歡的人了」
智恵:「ええ、えーーー
智恵:「誒誒,欸欸欸欸
だれ、だれ?同じクラス?」
誰,誰?同班的? 」
智恵:「ええ、教えろよ、僕とムネ君の仲だろう」
正宗:「秘密」 正宗:「秘密」
正宗:「俺とお前の仲ってなんだよ
智恵:「誒告訴我唄,就我們這關係」
金目當てでプロポーズをする程度の仲なんだろう」
正宗:「我們的關係怎麼了
智恵:「いやいや、愛はともかく
不就是以錢財為目的而求婚的關係麼
僕たちの間には無償の友情があったはずだぜ」
智恵:「不不,愛情先不說
正宗:「えっ?」
我們之間可是有深厚的友誼的」
智恵:「何さムネ君、その何か言い出そうな顔は」
正宗:「誒? 」
正宗:「俺ってなんでお前と友達になったんだっけ」
智恵:「怎麼了宗君,一副想要說什麼的樣子」
智恵:「ちょっ、ひどい、忘れちゃったの、ちゃんと思い出してよ
正宗:「我是怎麼和你成為朋友的來著」
君の大切な記念日だったはずだろう」
智恵:「怎,真無情,忘記了嗎,好好回憶起來啊
正宗:「智恵と仲良くなった記念日ってこと?」
不是你重要的紀念日麼」
智恵:「それもあるけど、ほら
正宗:「和智恵成為朋友的紀念日?」
三年前、僕らがまだ幼気な中學生だった頃」
智恵:「雖然那也是,你想想
そう、あれは
三年前,我們還是年幼的中學生的時候」
正宗:「ああ、緊張する」
三年前是的,那是三年前
朝の十時、俺は高砂書店のライトノベルコーナーにいた
正宗:「啊啊,好緊張」
その日は、和泉マサムネのデビュー作は、初めて書店に並ぶ日だったのだ
早上十點,我站在高砂書店的輕小說專櫃前
正宗:「ああ、本當に売ってるよ、俺の
那天,是和泉正宗出道作品的發售日
イラストレーター『エロマンガ』って書いてあるけど」
本正宗:「啊啊,真的在賣啊,我的書
(なんでこの人こんないかがわしいペンネームをつけたかったんだよ)
雖然寫著插畫師『工口漫畫』」
正宗:「いたたっ、胃が痛い」
為啥這人起了個這麼可疑的筆名
(俺、作家デューしたんだな
正宗:「疼疼,胃好疼」
俺の本買ってくれる人がいるんだろうか)
(我終於作家出道了啊
ワクワクと心劣る気持ちと、不安でたまらない気持ちが
會有人買我的書麼)
胸の中で渦巻いている
激動、擔心與不安的心情
もちろん、作者が本屋にきたところで
在我心中交織著
本の売り上げを左右できるわけでもない
當然,就算作家本人來到了書店
そんなことは分かってる
也不會對銷售額有什麼影響
分かっちゃいるんだが、どうしてもこのまま家に帰る気にはなれなくて
這種事情我很清楚
どうしたかっていうとだな
儘管如此,還是不想直接就這樣回家
本棚の陰に隠れて、本の売れ行きを監視する體勢に入った
要說我做了什麼
血走った目で、ライトノベルコーナーを凝視する
我藏在書架後面,監視起了書的出售情況
たぶん漫畫家とか、小説家とか、みんな似たようなことをやってると思う
我瞪大了雙眼,凝視著輕小說專櫃
新刊の発売日だからか
或許漫畫家,小說家們都會做同樣的事情
開店直後だというのに、お客さんはそこそこいる
可能是因為新刊發售日的緣故
しばし新刊棚に熱視線を送り続けていると
才剛開店,就有了很多客人
正宗:「おっ、ついに俺のデビュー作を手に取った人がいた
凝視了一會兒新刊專櫃後
高校生くらいに男子だ
正宗:「哦,終於有人拿起我的書了
彼は手に取った本の表紙をじっと見て
是一名男高中生
裏返したり、背表紙を見たり、買おうかどうか迷っている様子」
他盯著手中的書的封皮看了看
(よし、買え!買うんだ!お願いします、きっと面白いから)
又翻過來看了看背面,一副猶豫買不買的樣子」
男1:「なんだよ、この『エロマンガ』って
(好,買!買了它!拜託了,一定很有趣的)
恥ずかしくて買えねぇよ」
男1:「什麼啊,這『工口漫畫』
正宗:「ちくしょう、エロ漫畫じゃないのに
這麼丟人的買不了啊」
エッチな內容じゃ全然ないのに」
正宗: 「可惡,明明不是工口漫畫
さらに見守ること數分、再び俺のデビュー作を手に取る人がいた
內容一點也不H啊」
正宗:「よーし、今度こそ買ってください
觀望了幾分鐘,又有一個人拿起了我的作品
『エロマンガ』って書いてあるけど、エロくないから
正宗:「來了,這一次請務必買下來
さ、勇気を出して」
雖然寫著『工口漫畫』,但一點也不工口的
男2:「新人作家か、人は知らまじだな」
鼓起勇氣」
正宗:「けっ、えらそうに、何様だてめぇ」
男2:「新人作家麼,不認識的人啊」
(モンスターペアレンツと呼ばれる親たちの気持ちが
正宗:「(╯°Д°)╯︵ ┻━┻,好像你多厲害一樣,你算何方神聖」
今の俺にはよくわかる)
(現在的我十分理解
さらに數分見守るも、一向に俺の本を買ってくれる人は現れない
溺愛孩子的家長們的心情)
(や、やばい、このまま一冊も売れなかったらどうしよう
又觀望了幾分鐘,一直沒有人來買我的書
デビュー早々、一巻打ち切りになっちゃったらどうしよう)
(不,不好,要是就這樣一本都沒有賣出去怎麼辦
そんな情けなくも、切実な思いから、つい魔が差してしまったのだ
要是早早出道,第一卷就夭折了怎麼辦)
俺はフラフラとライトノベルコーナーに近づいていて
在這樣不安焦躁的感覺下,我動了歪念頭
正宗:「なんか超面白そうなラノベが売ってるぞ
我慢悠悠的接近輕小說專櫃
イラストもかわいいし、『和泉マサムネ』ってペンネームも格好いいし
正宗:「好像在賣超有趣的輕小說哦
あらすじも楽しそうだし、こりゃ大ヒット間違いなしですわ」
不止插畫可愛、『和泉正宗』的筆名也很帥
(じろっ)
故事好像也很有意思,這個絕對大受歡迎啊」
正宗:「表紙に『エロマンガ』って書いてあるけど
(我瞟)
イラストレーターさんの名前で內容には関係ないし
正宗:「雖然封皮上寫著『工口漫畫』
エッチな小説じゃちっともないし
反正只是插畫師的名字和內容也沒關係
勇気を出して買っちゃおうかな」
完全不是H的小說
(じろっ、じろっ
鼓起勇氣買了吧」
さ、皆の物買え、買うのだ)
(我瞟,我瞟
店主:「お客様」
大家快買,來買啊)
正宗:「はいっ、ええ!」
店主:「這位客人」
店主:「お話がありますので、こちらに來ていただけますか」
正宗:「是,誒誒!!」
肩をつかまれ振り向くと、強面マッチョのおっさん
店主:「有點事情想談一下,這邊來一下可以麼」
高砂書店の店主が、ド迫力で俺を見下ろしていた
被摁住肩膀的我一回頭,板著臉的大叔站在我面前
店內で騒いでいた俺は、書店のバックロームで弁解をしていた
高砂書店的店主正咄咄逼人的看著我
正宗:「ですから、俺は作者なんですよ、この本の」
在店裡騷動的我,現在在員工室辯解著
店主: 「こんなに若い作家がいるか
正宗:「所以說,我就是這本書的作者」
うちの娘と同じぐらいじゃねぇか」
店主:「怎麼可能有這麼年輕的作家
正宗:「本當ですって、最近中學生デビューとか、珍しくない時代なんですってば
豈不是和我家女兒一樣麼」
ほら、これ、學生証、『和泉正宗』って書いてあるでしょう
正宗:「真的,現在的時代,初中出道已經不再稀奇了
この本の作者とほとんど同じ名前ですよ、これが証拠です」
你看,這個,學生證,不是寫著『和泉正宗』麼
店主:「うん、いやしかしな」
和這本書的作者幾乎一模一樣,這就是證據」
智恵:「ちょっと、お父さん
店主:「唔,但是」
お店空っぽにして何やっての、萬引きか何か」
智恵:「餵,爸爸
店主:「ああ、いや、店で騒いでるやつがいたからよ
放著書店不管做什麼呢,有小偷麼」
ほかのお客様の邪魔になるかもしれねぇから、事情を聞いてたんだが」
店主:「啊啊,不是,有個在店里胡鬧的傢伙
智恵:「ん?ありゃ、和泉君じゃない、一組の」
因為可能會妨礙到其他客人,我就問問他理由」
正宗:「えっ、君は」
智恵:「嗯,誒,這不是和泉君麼,一班的」
智恵:「高砂智恵、覚えてないかな、小三の時同じクラスだったんだけど」
正宗:「誒,你是」
正宗:「あ、ごめん」
智恵:「高砂智恵,不記得了麼,小學三年級的時候一個班的」
智恵:「そっか、まあいいや」
正宗:「啊,抱歉」
店主:「こぞ、こんな美少女を忘れたってんのか」
智恵:「這樣啊,算了」
正宗:「す、すみません」
店主:「小子,你竟然把這等美少女都忘記了?」
智恵:「ちょっ、お父さん、恥ずかしいこと言わないで
正宗:「對,對不起」
えっと、で、どういうこと」
智恵:「爸,爸爸,別說得這麼讓人害羞啊
店主:「だからな、店で騒いでたこぞは
然後,這是怎麼一回事」
自分がこの本を書いた作家だとかなんとか
店主:「所以說,在店里胡鬧的小子
下手な噓ついてよ」
說自己是書的作者什麼的
智恵:「おっ、それ、今日発売の新刊じゃん
撒謊都不會」
って、えっ、『和泉マサムネ』、和泉正宗
智恵:「哦,那個,不是今天發售的新書嗎
ん?ん??ま、まさか」
唔,誒,『和泉正宗』,和泉正宗
正宗:「うん、俺がその本の作者、和泉正宗なんだ」
嗯?嗯? ?難,難道說」
智恵:「マジで?」
正宗:「嗯,我就是書的作者,和泉正宗本人」
正宗:「マジで」
智恵:「真的?」
店主:「偶然じゃねぇのか」
正宗:「真的」
正宗:「本當ですって」
店主:「不是偶然麼」
智恵:「ね、和泉君さ」
正宗:「都說了是真的」
正宗:「な、なんだ」
智恵:「那個,和泉君」
智恵:「ブラックロッドとブラッドジャケットとブライトライツ-ホーリーランド
正宗:「怎,怎麼了」
この三作ではどれが一番好き」
智恵:「BlackRod和BloodJacket和Brightlights-Holyland
どれも電撃文庫から発売されている超名作小説だ
這三部作品你最喜歡哪個」
俺は質問の意図を分かりかねながらも、即答していた
每一部都是電擊文庫發售的超有名的小說
正宗:「ブラッドジャケット」
我雖然不知道問題的意圖,但還是瞬間回答了
智恵:「うんん
正宗:「BloodJacket」
ラノベキャラで君が一番格好いいと思う名前は」
智恵:「嗯嗯
智恵:「んじゃ、ブギーポップシリーズで一番好きな本は」
輕小說角色裡,你覺得誰的名字最帥」
正宗:「高砂さん、この質問に何の意味があるわけ」
正宗:「霧間凪」 正宗:「霧間凪」
智恵:「ライトノベル性格分析ってとこかな
智恵:「那,Boogiepop系列裡最喜歡的書是哪本」
いいから答えてよ」
正宗:「高砂同學,這些問題有什麼含義麼」
正宗:「VSイマジ
智恵:「輕小說性格分析一樣的東西吧
いや、エンブリオ炎生かな」
總之回答就對了」
智恵:「そっかそっか、なるほどね、いやどうりで
正宗:「VSImage
ちなみに僕は、パンドラとペパーミントの魔術師が好きだよ」
不,Embryo的炎生吧」
正宗:「俺も、ファントムは超好き」
智恵:「嗯嗯,這樣啊,怪不得
智恵:「おお分かってるね
順便一提,我喜歡Pandora和Peppermint的魔術師」
あっ、ところで、うちのお父さんちょっとイナズマに似てない」
正宗:「我也是,超喜歡Phantom」
正宗:「えっ、似てないと思うけど」
智恵:「哦哦,你很懂嘛
店主:「おいおい、何の話だ、さっぱりわからんぞ」
啊,話說你有沒有覺得我爸爸長得像閃電(注:一個角色)」
智恵: 「お父さん、和泉君の言ってることたぶん本當
正宗:「誒,不像吧」
自分が作者だなんて言って、ごまかそうとしているわけじゃないよ」
店主:「餵餵,在說什麼呢,我一點也不懂」
店主:「なんでわかる」
智恵:「爸爸,和泉君說的應該是真的
智恵:「んとね、いまちょっと話してそう思った
說自己是作者什麼的不是在糊弄」
ラノベ好きなやつに悪いやつはいないって
店主:「為什麼這麼說」
それだけじゃ弱いかな」
智恵:「怎麼說呢,剛剛聊了兩句後我感覺得到
店主:「まあな」
喜歡輕小說的人都不是壞人
智恵:「えっとじゃ、あんまり大きな聲じゃ言えないんだけど
可能光這一點太牽強了」
僕、今日発売のラノベ
店主:「是啊」
昨日店に入荷したときに読んじゃったんだよね」
智恵:「這樣吧,雖然不是什麼光彩的事情
正宗:「てことは、俺の本も読んでくれたってこと」
我昨天晚上進貨時
智恵:「えへへ、そういうこと
讀了今天發售的輕小說」
びっくりしちゃった、
正宗:「就是說,我的書你也讀了嘍」
僕が作品を読んで想像した作者のイメージそのものなんだもん
智恵:「誒嘿嘿,就是這樣
だから、きっとこの人が和泉マサムネ先生本人なんだろうなって思った
和泉君きみ太驚訝了,和泉君
それに、同じクラスで一年間過ごしたこともあるしな
你和我讀完作品後想像出的作者的印像一模一樣
君はそんな噓をつくようなやつじゃないよ
所以我覺得這個人一定就是和泉正宗老師本人
今日は和泉正宗のデビュー作発売日だし
而且,我們也在一個班裡上過一年學
お店の中で様子がおかしかったのはそのせいじゃないかな」
你不是那種會撒謊的人
(見透かされている)
今天是和泉正宗出道作品的發售日
店主:「わかった
在店裡樣子怪怪的可能就是這個原因吧」
おいこぞ、もう店で騒ぐなよ」
(被看透了)
正宗:「はい、すみませんでした」
店主:「我知道了
智恵:「一件落著だね」
餵小子,別再在店裡鬧騰了」
正宗:「助かったよ」
正宗:「好的,十分抱歉」
威圧感のかたまりがバックルームから去り
智恵:「這樣就解決了」
俺はようやく一息つく
正宗:「幫大忙了」
そこで、高砂さんが上機嫌に近づいてきた
令人窒息的壓迫感逐漸離去
智恵:「で、和泉マサムネ先生、なんか面白そうだし、話聞かせてよ」
我可算是能喘口氣
正宗:「ああ、記念日って、俺のデビュー作の発売日か
這時,高砂同學興致勃勃的靠了過來
あれがきっかけでお前と話すようになったんだっけ」
智恵:「所以,和泉正宗老師,好像很有趣的樣子,給我講講唄」
智恵:「そうそう、なんだよ、ちゃんと覚えてるじゃん
正宗:「啊啊,紀念日是說我出道作品的發售日吧
その後ムネ君が、ラノベ作家だってことを學校では隠したいから
好像就是以此為契機和你說上的話」
秘密にしててって言い出して」
智恵: 「是的是的,什麼嘛,不是記得好好的嗎
正宗:「ずっと內緒にしてくれてるよな」
後來宗君不想讓學校裡的人知道你是輕小說作家
智恵:「そりゃ約束しましたからね」
還讓我保密來著」
正宗:「すぐばらされるって思ってた」
正宗:「一直都為我保密著呢」
智恵:「ちぇ、ひどいな
智恵:「那當然,畢竟約定好的事」
こう見えてけっこう義理堅いだぜ僕」
正宗:「還以為你會立刻背叛我」
正宗:「知ってる、友達だからな」
智恵:「切,真過分
智恵:「そう、ムネ君が學校で唯一ラノベの話ができる友達だ
別看我這樣還是很講義氣的」
僕にとってもね」
正宗:「我明白,因為是朋友嘛」
俺はともかく、智恵は學校でも友達が多いほうだと思うのだが
智恵:「是的,宗君在學校唯一能聊輕小說的朋友
やっぱり書店員でラノベ擔當をしている彼女と同じレベルで
對我來講也一樣」
ラノベトークができる女子はいないらしい
先不說我,雖然感覺智恵屬於在學校朋友很多的那種
だから、お互いにとっていい出會いだったのだろう
但果然既當過書店店員,又和她一樣擅長輕小說
智恵:「ね、ムネ君この後うち寄ってく
能進行輕小說對話的女生還是沒有的
ほら、勉強教えてもらった報酬、渡さなくちゃだし
所以,對於我們來說這是一次很好的相遇吧
ただでいいとは言ってもらったけれども、受け取ってよ」
智恵:「宗君一會來我家一趟麼
正宗:「そういうことなら、行くよ」
反正還要給你補課的報酬
智恵:「よーし、そうかなくっちゃ
雖然你說免費就行,但還是收下吧」
ムネ君におすすめしたい本もあるんだ」
正宗:「這樣的話,我就去一下吧」
正宗:「貸してくれんの」
智恵:「這樣才對嘛
智恵:「売ってあげるよ」
順便還有幾本書想推薦給宗君」
正宗:「しっかりしてんな
正宗:「要藉給我麼」
わかった、買うよ」
智恵:「賣給你哦」
智恵:「毎度あり、きっと気に入ってくれると思うよ
正宗:「很認真嘛
読んだら感想聞かせてよね」
知道了,我會買的」
高砂智恵、俺の親友は、こんなやつだ
智恵:「感謝惠顧,我相信你一定會喜歡的