流転流浪
羽多野渉
流転流浪 歌词
雨しのぎに
立ち入る
廃れ朽ちた古城
語り部は言う
姫君と兵士の
戦に散った恋語(こいがたり)
愛を囁くため
命 懸けようとも
叶わぬ定め
数多(あまた)の悲しみを
飲み込んだ乱世も
今は遥か
時の河に
消えて
月明かりを
頼りに
見つめ合ったのだろう
幼心に
未来を誓った
二人は契り
引き裂かれ
髪飾りと折れた剣(つるぎ)も
塵(ちり)と果て
守り通せるなら
千の矢を受けても
抱きしめただろう
大国の王者へ
娶(めと)られた彼女(かのひと)
二度と会えず
幸せだけを
祈り
願い
積もる
赤き大地へ
差す夜明け
自らの道さえ
選ぶ自由もなく
尽きた命へ
僕は何を想い
どんな旅を行こう
瓦礫の陰
寄り添い合うように
咲くふたつの
花に別れ
告げて